イーパテント代表・野崎篤志の新刊「調べるチカラ-情報洪水を泳ぎ切る技術-」発売

イーパテント代表・野崎篤志の新刊である「調べるチカラ-情報洪水を泳ぎ切る技術-」が本日2018年1月13日、日本経済新聞出版社より発売されました。情報収集スキルを向上させたい方にはぜひとも手に取っていただければ幸いです。

調べるチカラ 「情報洪水」を泳ぎ切る技術

はしがき

本書を手に取っていただきありがとうございます。私は知財情報コンサルタントとして、特許情報を中心としてマーケット情報・企業情報など様々な情報を調べて、分析して、お客様へ役立つ情報に加工した上で提供するという仕事をしています。

 
インターネットが普及してから既に20年近くが経ち、最近ではあらゆるモノから情報やデータを取得・収集できるIoT(モノのインターネット)およびその収集した情報やデータを解析する人工知能が脚光を浴びています。世の中にはビッグデータ、データアナリティクス、データサイエンティストなどの言葉が溢れていて、情報・データを調べることよりも、むしろ調べた情報・データをどのように分析・解析するかに注目が集まっています。

 
確かにGoogleを始めとした検索エンジンの技術の発展によって、誰でも簡単に言語的な障壁を超えて様々な情報・データを入手する環境は整備されてきました。しかし、果たして本当に欲しい情報・データを入手することができているのでしょうか?インターネットがない時代は、図書館に行ったり人から聞いたりして情報・データを収集しなければならず、調べるという行為自体が1つの高度なスキルでした。現在は検索エンジンに調べたい情報に関するキーワードを入力して、クリックすれば欲しい(と思われる)情報が提示されます。その情報の中に本当に自分が欲しい情報はあるでしょうか?

 
本書は情報が溢れている情報過多時代において、どのように欲しい情報を効率的・効果的に調べれば良いか、そのスキルを身に着けるためのビジネスパーソン向け入門書です。既に自分が調べるチカラは十分についている、という方は本書を読む必要はありません。調べた情報をいかに分析し、活用していくか、の方でスキルアップを図っていただければと思います。むしろ、「検索エンジンでいろいろなキーワードを使っているが欲しい情報がなかなか見つからない」、「自分が調べた情報が正しいのか自信が持てない」、「本当に調べたい情報はないのか?」など少しでも調べるチカラに自信がない方に手に取って読んでいただきたいと考えています。

 
梅棹忠夫の『知的生産の技術』(岩波新書)、渡部昇一の『知的生活の方法』(講談社現代新書)、板坂元の『考える技術・書く技術』(講談社現代新書)、立花隆の『知のソフトウェア』(講談社現代新書)など先達の優れた書籍はいずれもインターネットがない時代に書かれたものです。情報を調べる、情報収集自体に労力がかかる時代であったため、これらの書籍では情報を調べ方、情報をインプットする際の心構えにもページ数を割いて解説されていました。本書では情報を調べるスキルやどのような情報源を調べれば良いか、また検索エンジンを使う際のテクニックやTipsなども取り上げていますが、情報収集をする際に最も重要な情報収集する前提となる考え方や情報感度を磨くことについて述べています。むろん本書を読んですぐに情報収集を行う際の考え方や情報感度は一朝一夕で身に着くわけではありませんが、日々心がけることで効率的・効果的な情報収集スキルを身に着けることができると信じています。

 
本書を通じて少しでも調べるチカラを向上させていただき、ビジネスの現場だけではなく様々な場面で、情報を活用していただけるようになっていただければ著者としては望外の喜びです。

 

2017年10月27日
野崎篤志